最近せっせとHALが読んでる『文で覚える単熟語 準1級』のなかに、
人間には生まれつき備わった言語能力がある、みたいな話が書いてあった。
???と気になって、検索してみたら、
アマゾンで『言語を生みだす本能』って本を見つけた。

「普遍文法」というものらしい。
鳥が空を飛ぶように、人間は言語を操るものらしい。
幼児には普遍文法という基本的な文法構造が生まれつき備わっているから、インプット量が十分あれば、さほど文法を教える必要はないらしい。

文法の学習だけしても、英語が話せるようにならないことは、未だに、翻訳サイトで満足のいく翻訳ができないことで証明されていると思う。Googleの知力財力を以てしても、機械翻訳は上手くいかない。
1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本 を、
いっぽん、にほん、さんぼん、よんほん、ごほん、ろっぽん、ななほん、はっぽん、きゅうほん、じゅっぽん、と
日本人なら誰でも、音の高低含めて正確に発音することは出来るけど、完璧に文法説明できる人なんてめったにいない。(『英語ができない親の脳 英語ができる子どもの脳』にこの例が書いてあった。)
文法の学習だけでは言語の習得はできない。

子どもには、普遍文法という基本的な文法構造が備わっているから、大量のインプットで(たぶん2000時間)、各言語のこまかいルールを覚えて、言語を習得できる。

普通、生後15か月くらいで単語を話しはじめ、3才くらいで母語の大枠、普遍文法を獲得する…?
普遍文法は、脳の酸素やカロリーなんかを大量に消費するので、母語の習得がおおむね終わる6才頃から消え始めるらしい。
英語の臨界期って、音の聞き分けだけのことかと思ったら、文法構造まるごとだったのね。
3才までにきちんと母語か母語レベルの言語をインプットしないと、普遍文法の確立が難しくなって、第二言語どころではなくて母語までおかしくなる…のかな?
第二言語の英語は、6才までにうまくスタートすれば、普遍文法を使って、英語も母語同様に習得する。
1日2時間学習するとして、1年で約600時間、3・4歳から3年半もやれば、バイリンガルになる計算。

でも、本の中にも書いてあったけど、DVDやテレビだけでは言語を習得できないらしい。
これは、HALも幼児期に英語のビデオを結構見てたのにさっぱり効果がなかったことで体験済み。
でも、小学校に入って、本格的に英語を学ぶようになってからは、アニメは絶大な威力を発揮した。

『言語を生みだす本能』の著者は、生後15か月から単語を発することと、活発に行動しはじめる時期が重なることから、言語でコミュニケーションを取ることで、危険から身を守ったりする必要があるんじゃないかと推測している。

たぶん…、言語ってそうなんだろう、コミュニケーションの必要がないと、普遍文法は発動しないんだ。
だから、ただ漫然とアニメを見てた時は、コミュニケーションの必要を感じないから普遍文法が発動しなくて、学校で、外国人を相手にするようになってから、英語が必要になったんだ…。
つまり幼児でも、お母さんと英語で話すとか、外国人と話すとか、オンライン英会話とかしないと、アニメだけ見ててもダメなんだな、きっと。
でも、語りかけや英会話教室とかは、単に普遍文法を発動させるキーであって、インプット量はそれじゃ足りないし、一旦、普遍文法が発動すれば、文法をさほど教える必要はないから、大半のインプットはアニメや、かけ流しで事足りるんだ…。
なるほどねぇ…。

結局これも、本人が「英語で話さないと!」って思うかどうかであって、モチベーションの問題なんだな。
お母さんと英語するの楽しい♪とか、外国人と話したい♪とか、モチベーションが鍵なんだ。

ところで6才から普遍文法が消え始めるとしても、中高生以降でも多聴多読が効くことは実証されている。
やっぱり熱心にやれば3年で一通りマスターして2級に到達する子もいるようだ。
なんだろね?普遍文法って、完全には消えないのかな?不思議。
母語の中に普遍文法が残るってこと?
第二言語習得には、母語用に変形した普遍文法を再利用するから、まっさらな幼児の普遍文法より、若干、母語の影響を受けるのかな?
だから中高生以上は、英語と日本語の文法の違いを意識させた方が効率がいいのかな?
でも基本的には幼児と同じように習得可能ってこと?
よくわからんなあ。

あと、うちも含めて、3才で「えいご、いやなの」って言う子が多いようだけど、
日本語の大枠ができた3才から、5~6才に母語が完成するまで、大量に日本語のインプットが必要な時に英語が混じるとやりにくいんだろう…。
多分、母語の習得は生存本能で、群れで上手く生きていくために不可欠なんだろう、一刻も早く群れの言葉を習得して群れの中での地位を確立したいのに、インプット材料に英語が混じってると邪魔…ってことなんだろうなあ。

日本語がほぼ完成する5才から6才に英語を始めるのは、普遍文法的には滑り込みなんだけど、日本語との兼ね合いを考えると無理が少ないのかもしれないなあ。
HALが、2級の面接練習の問題で、「英語の技能の前に、日本人は日本語の技能を向上させるべきだという人についてどう思いますか?」っていう質問に、「賛成です。日本人だから、日本語を先に向上させるべきだと思います。」って答えてて笑ってしまった。正直な感想なんだろうなあ。本人は日本語はもう完成してると思ってるから(笑)

⇒『英語は逆から学べ!』って本読んだ https://spring.littlestar.jp/english/?p=9594