発達心理学の偉い先生の話を聞いた。

ジェームズ・ヘックマンという人の話を聞いた。(本人から聞いたんじゃなくて、偉い先生の話に出てきた)

この人は2000年にノーベル経済学賞を受けたんだけど、

教育には、いつ投資したら最も費用対効果が高いか(笑)という研究をしたらしい。

で、結論は、小学校2年生以下、年齢が小さい時ほど費用対効果が高い、と。

アメリカのペリー小学校という、とても荒れたアフリカ系住民の地域で、

3才から5才までの2年間、午前中幼稚園+週1家庭訪問を受けるグループと、

そうではなくて、家では、ほぼネグレクトなグループに分けて、

その子たちがもうすぐ50歳になるらしいんだけど追跡調査をした結果、

幼稚園に通った子たちの方が精神的にも安定し、経済的にも成功している、と。

幼稚園以下の投資で、1ドルあたり8~9ドルの利益が出て、小2以降の投資だと赤字だそうな(笑)

でも、頭が良くなって成功したのではなく、

IQは幼稚園に通っている間、一時的に高くなるけど、10歳までで差はなくなるらしい。

(実際、幼稚園以下の英才教育で才能を開花させた子がHALママの周囲には少なくて(英語と音感除く)、

英才教育したのに10才くらいにはむしろ厳しい状況になってる子は何人か知ってるんで、

英才教育で育てたIQは10才で差がなくなるっていうデータにすごく納得した。)

で、幼稚園の教育成果は、頭の良さや、IQではなく、自尊心と自制心に差が出たのではないか、という話。

ネグレクトされてると、自尊心が育たないんだけど、

親が(この実験の場合は幼稚園の先生)が、いつでもどっしり構えて、不安になったら逃げこめる安全基地になってやると、

チャレンジ心が育って、大きく羽ばたけるようになる、と。

難しいことにチャレンジして成功体験を重ねることで、さらに自尊心と自制心が育つ、と。

ことさら、特殊な教育をするんじゃなくて、どっしり見守って、好きにさせてやって、泣きついてきた時だけ、ヨシヨシしてやれば良いと。1人で何かに没頭してたら邪魔しないで見守る、と。

(でも教育投資って言うけど、幼稚園なら、日本じゃ普通に通うよね。

アメリカほどの厳しい地域でネグレクトされて育つ方がレアだと思う…。

幼稚園組のIQが、ネグレクト組のIQと同じになっても、

幼稚園組は自尊心だけ高いってのもなんだかヘンな気もするし…。

優秀な子を育てる方法ってよりは、

やっぱりアメリカ特有の貧しい地域で、問題を起こす子をより経済的に減らす方法かな?)

ついでに、最近、「褒めて育てる」が、日本で流行ってるけど、

アメリカより10年遅れてて、

アメリカでは、「才能を褒めるな、努力を褒めろ」が、流行ってるらしい。

アメリカの有名な実験で、

最初に簡単な問題を子供に解かせ、

Aグループは才能を褒める、Bグループは努力を褒める。

2回目は解けない難問を与えると、

Aグループは才能不足を嘆く、Bグループは努力不足を反省する。

3回目、簡単な問題と、ちょっと難しいけどさっきよりは簡単な問題を選ばせると、

Aグループは簡単な問題を選ぶ、Bグループはちょっと難しい問題にチャレンジする。

4回目以降、難しい問題が解けるようになる率は、Bグループが高い。

という結果が出ているそうな。

まあ、なんだかんだ言って、自然に愛情深く見守って、好きなことに没頭させておくのが良いんだね。


まだ日本語版が出てない…

似たようなアメリカの教育論、HALママ読んでません