この間読んだ『脳内麻薬』が面白かったので、同じ著者の『努力不要論』を読んでみた。

率直に、面白かった!

科学者の割りには、独断が多い気がしたし、科学者なのに歴史にしつこく言及してるのもなんだかな~と思ったし、研究者が書いたにしては、参考文献の記述がないから気になった内容について突っ込んでいけないのが残念だけど、

貧困家庭に育ちながら、天賦の才能を活かして東大・東大大学院へ進学し、フランスで研究生活を送り、生き馬の目を抜く研究者の戦いを勝ち抜いた人の、本音の意見として聞く価値があると思う。

著者の周りのいろんな人を敵にまわしそうな記述が満載だけど、それだけに面白かった。

「戦略なき努力は努力ではない」は名言だと思う。
やっぱりまずは戦略を綿密にしないとね。

細かいところで、ミラーニューロンの話は参考になったな。
尊敬すべき実在の人の小説なんかを読むと、思考がトレースできていいのね…、ふ~ん…
やっぱ、いずれ、ジョン万次郎あたりの本をHALに読ませたいところだね。

英語に関してもちょっと書いてあったけど、現状の英語教育はダメだっていうだけで、じゃ、ど~したらいいのか、はちょっと弱かったな。

本の中で、著者が大事だと思う部分は太字で書いてあって見やすいんだけど、根拠なくポロっと出たらしい、著者の本音らしき部分が太字になってなかった。結構、面白いと思うけどな。

「本当に現実社会で必要とされている能力というのは、稼ぐ(エサを取ってくる)能力とか、同種の個体と仲良くして情報をやり取りしながら上手に生き延びる能力とか、他人の顔色を窺うことで自分の行動を決断できる能力とか、他人を言いくるめる能力とか、自分にないものを持っている人を使える能力とか、自分の怒りを抑える能力とか、嫌な気持ちになっても立ち直れる能力のことです。」

ま、科学的根拠も提示されてないし、実体験から生まれた言葉なんだろうねえ…。実際、今まで会った東大卒の人って、↑みたいなキャラの人が多い気がする。ミラーニューロンかねえ…