スーパーの古本コーナーで見つけて読んでみた。
読んだ感想は「すごい!!!」一瞬、えらく感動してしまった。
著者は鹿児島で保育園を経営している人で、横峰さくらの伯父さん。
独自に編み出したヨコミネ式の幼児教育法を全国の保育園で展開している。
とにかく、自学自習、教えなくても、子供らを競わせることで本気を出させる。
園児らは楽しく自ら学び、大量の絵本を読み、そろばんをやり、割り算ができ、逆立ち歩きができる。
「学校を信用していませんか?
子どもに勉強を教えていませんか?
学習教材に合わせていませんか?
何のために子育てをするのかわかっていますか?
男と女をいっしょだと思っていませんか?
子どもをほめていませんか?
子どもを傷つけないようにしていませんか?
子どもが飽きていませんか?
子どもに押しつけていませんか?
子育てをがんばっていませんか?
この本で、こういった間違いを犯しがちな10の項目について、説明しています。」
「教えて育てる「教育」では、子どもが育たない。
自ら学んで育つ「学育」こそが、子どもを成長させる。」
「すべての子どもが天才である。
ダメな子なんてひとりもいない。」
なるほど~、長年の子供観察から編み出した教育方法なのね~。すごいな~!!!
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と感心したところで、ネット検索してみたら、ヨコミネ批判が続々と…
ヨコミネ式保育園では確かに漢字が読めたり計算が早かったりして優秀だった子が、小学校に入ってから伸び悩んだり、
そもそも、ヨコミネ式が合わなくて、保育園時代から苦戦した子がいたり…
多分…
子供の能力を引き出すテクニックとしては、コヨミネは完成してるんだろう…
群れさせて、競わせて、本気力を引き出す…。
『強育論』とか、中学受験塾とかもそんな感じだよね…。
ヨコミネ式では、読み書き、そろばん、ピアニカ、逆立ち、レスリングなんかの限られた科目だけを繰り返す。
概ね、読み書きそろばんが出来てたくましい体があれば、人生は成功できる…ように見えるんだけども…
問題は、小学校に入ってからもその環境を維持しつづけることが出来るか?って点と、
すべての人が、企業戦士やアスリートになれれば幸せって訳じゃないところ。
ヨコミネで成功した子は、小学校以降も公文で鍛え上げ続ける必要があるんだね、きっと。公文で鍛えて、サピックスで鍛えて、鉄緑会で鍛えて、東大行って、商社に入ってバリバリに働く。それが性に合ってれば、いい幼児教育って言えるんだろう…。
だけど、たとえば芸術家とか、介護福祉にかかわるような仕事とか、もっと人間の心の機微とか自然の声を聴く必要のある仕事に就くなら、ヨコミネ式じゃ、役に立たない。もっとじっくりゆっくりと人間関係や自然の摂理を学ぶ必要がある。ヨコミネの限られた科目だけじゃ足りない。
ほんと、一瞬、いい本に思えたけど、やっぱりなんだかんだ、子供の性をじっくり見極めることが一番大事なんだな…。