HALは何度か、動物園の飼育員体験に行って、サルの世話をした。サル山には群れがいて、地位の低いメスの子は地位が低くなる。人間が餌を撒いてやっても、他のサルに餌を奪い取られて、口にすることができない。ウロウロしてるだけでも、掴みかかられて、栄養不足でチョロチョロの毛までむしり取られてしまう。だからと言って、人間がかまってやると、人間の匂いがついてしまうので、やっぱりいじめられて上手くいかない。飼育員さんに聞いたところ、実際、命を落とすらしい。

HALをこれまで注意深く観察しながらおうち英語をしてきて感じたのは、幼児の英語習得には本能が強くかかわっている、ということ。それに対して、中学以上の子は、数学的パズルで英語を習得する。習得の過程が違う。

幼児は、群れで生き延びるために、言語を習得して、群れの中で少しでも高い地位につきたいと願う本能が強い。コミュニケーションをして、相手に認めてもらうと、快楽物質ドーパミンが出て、嬉しくなる。コミュニケーションが上手くいかずに、群れで最下位になると、死の恐怖が待っている。

このことを頭に置いておくと、幼児の効果的な学習法がわかってくる。
「群れ」がまだ家族だけの場合は、母親がしゃべる言葉が群れの言葉になるので、母親が英語を話せば、一生懸命覚えようとする。でも「群れ」が幼稚園になると、群れの言葉は日本語になる。日本語がお友達より遅れていると自覚するのは死の恐怖だ。必死で英語を拒否するようになる。

相手に認めてもらって、少しでも高い地位につくことが生死を賭けたコミュニケーションの目的なので、「うん、うん。」といつでも優しく認めてくれるおばあちゃんにはよくなついたりする。だから、オンライン英会話でも、リアル英会話教室でも、「うん、うん、わ~、すごいね~。」と褒めて感心してくれる先生を相手に、自慢話をさせておくのが効果的。あとは、ORTのような実践的でリアルなフレーズをたくさん覚えるのがいい。子供同士のやりとりが多いアニメやドラマも喰いつきがいい。子供が出てくるおもちゃの遊び方解説の動画なんかもいいと思う。

単なる挨拶文とか「これらは複数のケーキである」みたいな意味不明の文の繰り返しなんかは、生死を賭けたコミュニケーションとは言えない。だけど、意味不明な文の繰り返しドリルみたいなものでも、お友達と競って勝ったり、やさしい先生がイチイチ「わあ!すごいね~!」と誉めてくれれば、承認欲求は満たされるので、公文でも一定の効果はある。

まあ、中学以降は、言語の習得が生死を賭けたコミュニケーション、て訳でもないので、英語の習得の過程は幼児とは違って、頭の中でルール通りに単語をひっくり返したり、変形させたりという、数学的パズルの一種になる。数学が得意な子が、英語も得意になる。

承認欲求は人間の根源的な欲求で、食欲や性欲をも超える。認められると快楽物質ドーパミンが出る♪ だから大人でも「うん、うん、わ~、すごいね~」はかなり有効(笑)承認欲求を満たしてくれそうな人が、男にも、女にも、モテル(笑)